2018年9月17日に配信された、柳本顕・前大阪市議のネット番組「Akira’s Bar」。
約48分の番組。西成区の歴史や街づくりについて、縦横無尽に触れています。
郷土史の史料を綿密に調査し、また地域に根ざして活動してきた体験に基づいて話しているのは、とても興味深いです。
西成区は古代からの由緒正しい地域
動画では、西成の地名は約1300年前に生まれた由緒正しいものであることを指摘しています。
主に旧今宮村の地域を中心に、歴史を解説しています。今宮村の地域は、現代の地域区分では、西成区の北東部・中東部(現代の地理では、主に弘治・萩之茶屋・今宮地域)と、浪速区の今宮戎神社周辺(現代の地理では、主に恵美地域や新世界)にあたります。
今宮村の北部は1898年の大阪市第一次市域拡張で大阪市に分離編入されました。残った南部は西隣の木津村と合併して新たな今宮村となり、町制を施行して今宮町となったのち、1925年に大阪市に編入されて西成区が新設されました。
中世には今宮村から京都に奉仕などをおこなった歴史があること、京都の今宮神社や八坂神社とつながりがあることなど、今宮村と京都との関係についても触れています。
今宮村の旧字には、東四条・西四条・花園・油小路など、京都と同じ地名が多数散見されるということです。周辺の村にはそういった京都と同じ地名はないことで、今宮村と京都は密接なつながりを持っていたことが地名にも残ったのではないかという説を提示しています。
東四条や西四条などは、古代の条里制と関連があるのではないかという見方もされてきました。大阪市内には五条(天王寺区)、九条(西区)、西九条(此花区)、十八条(淀川区)などの地名もあり、それらの地名も条里制によるものとみられていて、それらとも関連があるのではないかという見方が多かったようです。一方で、京都とのつながりという説、是非調べてみたい課題です。
近代では、日露戦争後に一時期開設された「天下茶屋俘虜収容所」の話も。
